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VDIを構築するには?手順と注意点、必要な費用を解説

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テレワークの推進により、VDIを使ったリモートアクセスも増えてきました。これからVDI環境を構築しようという企業も多いでしょう。VDIというと、「自宅からでも安全に、オフィスにいるときと同じように仕事ができる」という漠然としたイメージがあります。しかし、VDIにはいくつかの方式があり、それぞれに使用感やセキュリティは異なります。導入するなら、自社に合ったVDI方式を選び、環境を構築しなければなりません。
ここでは、VDIの概要と構築する方式、構築するための手順と費用感、導入時の注意点などを紹介します。

VDIを構築するには?手順と注意点、必要な費用を解説

目次

  1. VDIとは
  2. VDIを構築する方式
  3. VDIを構築するメリット・デメリット
  4. VDIを構築する方法や費用
  5. VDIを構築する際の注意点
  6. VDIの構築・運用にはある程度の知識が必要

VDIとは

VDI(Virtual Desktop Infrastructure)は、オフィスのデスクトップ環境をサーバー上に構築して仮想デスクトップ環境とし、遠隔地からインターネット経由で操作する方法です。デスクトップ仮想化、仮想デスクトップ、仮想デスクトップインフラなどとも呼ばれます。VDIはリモートデスクトップを実現する方法の1つで、かつシンクライアントの1種です。

VDIを構築する方式のなかにさらに「VDI方式」があるので、「広義のVDI」と呼ばれることもあります。

VDIはテレワークの普及により、最近になって大きく普及しました。

リモートデスクトップやシンクライアントについては、次の記事もご参照ください。

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いま、なぜVDIの構築が必要なのか

近年VDIの構築が増えているのには、次のような理由があります。

働き方改革、テレワークの増加

働き方改革の推進など社会情勢の変化により、テレワークを導入する企業が増えています。そのため、オフィス以外の場所でも業務を遂行できる環境が必要になりました。

管理の効率化

VDIはサーバー上に仮想デスクトップ環境を構築し、社員に提供します。そのため、サーバー上の仮想デスクトップ環境を企業側で一括管理することが可能です。セキュリティ対策やアプリケーションの更新もまとめて行えるので、管理を大きく効率化できます。

セキュリティの強化

VDIは基本的に、オフィスのデスクトップ環境をインターネット経由で利用するものです。手元の端末にオフィスと同じようなアプリケーションやデータを保存することはありません。そのため、テレワークでも情報漏洩のリスクが小さくなります。

BCP(事業継続計画)対策

近年は異常気象による災害が多発しています。また、オフィスが突然火災や地震などの被害にあうリスクもゼロではありません。オフィスが被害を受けても、クラウドサーバー上に仮想デスクトップ環境を構築していれば、データやアプリケーションを保護することができます。また、社員が出社できなくても、テレワークで通常どおり作業することが可能です。

VDIを構築する方式

VDIを構築するには、4つの方式があります。

VDI方式

VDI(Virtual Desktop Infrastructure)方式は、1つの物理サーバーに複数の仮想デスクトップ環境を構築するものです。狭義のVDIとも呼ばれ、現在、もっとも多く使われている方式です。

ユーザーごとに個別の環境を構築するので、ユーザーは普段PCを使っているのと同じ感覚で操作できます。個別に環境を変更できるといった自由度も高いです。

SBC方式

SBC(Server Based Computing)方式は、サーバーベース方式とも呼ばれます。1つの仮想デスクトップ環境を複数のユーザーが同時に利用する方式です。

コストは安くなりますが、全員同じ環境を利用しなくてはならず、自由度は低くなります。

HDI方式

HDI(Hosted Desktop Infrastructure)方式は、ホスト型デスクトップインフラ方式とも呼ばれます。1つの物理サーバーを、1人のユーザー端末で占有して操作する方式です。自由度は高いですが、大きなコストがかかります。

DaaS方式

クラウドサーバー上に仮想デスクトップ環境を構築し、インターネット経由で利用する方法です。ハードウェアを準備する必要がないので初期コストを削減できます。また、メンテナンスの多くをクラウドサービスが担当するので、管理負担も軽減可能です。

VDIとその方式については、次の記事もご参照ください。

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またDaaSについては、次の記事もご参照ください。

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VDIを構築するメリット・デメリット

VDIの構築にはメリットも多いですが、デメリットもあります。

VDIを構築するメリット

  • 端末ごとに最適な環境を構築できる
    VDIならユーザーごとに環境を変えることも、複数のユーザーにまとめて同じ環境を提供することもできます。部署に合わせて最適な環境を提供することも可能です。
  • 一元管理による管理コストの軽減
    テレワークのために個人に端末を貸与すると、端末の購入、管理などに大きなコストがかかります。しかし、仮想デスクトップ環境を構築すれば、1つのサーバー上に環境を構築してまとめて管理が可能です。
    ライセンスやアプリケーションの更新、セキュリティ対策なども一元管理でき、管理から外れる端末がありません。管理コストも大きく削減できます。
  • セキュリティ強化につながる
    VDIでは、基本的にリモートで操作する側の端末にはアプリケーションやデータを残しません。そのため、情報漏洩を防いだセキュリティ強化につながります。
  • テレワークの推進
    VDIを導入することで、オフィス以外の場所でも仕事ができるようになります。これは、テレワークの推進につながります。

VDIを構築するデメリット

  • ネットワーク環境に依存する
    VDIはインターネット経由で利用するので、インターネット環境のないところでは使えません。そのため、ネットワーク環境の整備が必要です。
  • サーバー側に負荷がかかる
    VDIでは、1つのサーバーで多くのユーザーに環境を提供することが多いです。そのため、サーバーリソースが不足したりネットワークが混雑したりすると、パフォーマンスが低下します。
    ネットワーク構成によっては、同時に多くのユーザーが利用する場合にはサーバーやネットワークの増強が必要かもしれません。
  • 1つの障害がシステム全体に影響をおよぼす
    VDIでは、サーバーやネットワークなどを多くのユーザーで共有しています。サーバーの障害、構築した環境の不具合、ネットワークの混雑など、何か1つトラブルがあれば、すべてのユーザーが影響を受けることもあります。
  • 構築・運用にはある程度のノウハウが必要
    VDIの構築や運用には、通常の社内ネットワークとは異なる知識や経験が必要です。また、セキュリティ対策も必要になります。そのため、VDIの導入には運用経験のあるスタッフが必要です。

VDIを構築する方法や費用

VDIを構築する手順や、費用相場について紹介します。

VDIを構築する手順

VDIを導入するときの一般的な手順は以下のとおりです。

  1. 要件定義
    なんのために、どのようなVDIを導入するのかという要件定義を行います。
    目的、要件、構成要素、必要な機能やセキュリティなどを考慮して、構築方式を決めます。
  2. ベンダー選定
    要件定義をもとに、ベンダーを選定します。
  3. 構築
    ベンダーと協力して、仮想デスクトップ環境を構築します。
    規模や構築方式によっては、構築に数カ月から半年程度かかることもあります。
  4. 運用・展開
    最初は一部の部署に限定するスモールスタート方式で運用を開始します。スモールスタートで不具合やトラブルを洗い出し、改善したのちに全社に展開します。

VDIを構築する費用

VDI構築に必要な初期費用の項目は、次のとおりです。

  • ハードウェア
    サーバーやネットワーク機器、ストレージ、必要ならユーザーに配布するPCなど
  • ソフトウェア
    OSやアプリケーションのライセンス
    VDI環境を構築するソフトウェア(無料のオープンソースソフトウェアもあります。ただし、オープンソースソフトウェアの利用には高い知識やノウハウが必要です)

これらを合わせると、ユーザー1人あたり20~30万円程度が一般的です。ユーザーが増えるほど、1人あたりのコストは下がります。

また、運用開始後には次のようなランニングコストがかかります。

  • OSやアプリケーションのライセンス更新費用
  • 社内に構築する場合は、光熱費やハードウェアの交換・更新費用
  • DaaS方式の場合は、クラウドサービスの利用料金

VDIを構築する際の注意点

VDIを構築する時の注意点を紹介します。

環境設定と適切なサイジングを意識

仮想デスクトップ環境をオンプレミスで構築する場合、運用開始後にサーバーのスケールアップ/スケールダウンを行うのは難しいものです。運用開始前に、ユーザーの利用状況を確認し、適切なサイジングを行いましょう。容量の変化が予測される場合は、DaaS方式を利用すると安心です。

また、すべてのユーザーが同時にアクセスしてもネットワークが耐えられるかどうかも確認する必要があります。

サーバーの障害に備えた対策をしておく

VDIでは、一カ所でもトラブルが起こるとすべてのユーザーが影響を受け、業務ができなくなることがあります。サーバーやネットワーク機器の冗長化を行うなど、トラブルが発生してもシステム全体がダウンしないような対策が必要です。

事前に動作検証を行う

ユーザーの数を計算し、ネットワークの容量を確認し、冗長化を行うなどの準備を行うだけでは不十分です。事前にネットワーク構成や帯域を確認し、ユーザーがアクセスしても正常に稼働するか、動作の検証を行いましょう。

アクセス制御や認証の対策、強化

VDIでは、直接社内のアプリケーションやデータにアクセスできます。一度不正なアクセスがあれば、情報が漏洩する可能性も大きいのです。認証情報の漏洩には十分注意し、多要素認証やアクセス可能な端末の限定など、十分なセキュリティ対策を行いましょう。

VDIの構築・運用にはある程度の知識が必要

VDIを使えば、テレワークでも安全に、オフィスにいるときと同じように仕事ができます。しかし、VDIを構築・運用するには、管理者側にVDIやネットワーク、セキュリティなどについての知識やノウハウが必要です。ユーザー側にも、VDI環境で安全に作業するためのITリテラシーが求められるでしょう。

また、VDIの構築にはある程度の初期費用が発生します。導入後の運用・管理費用は比較的かからないものの、企業によっては導入しにくいと思われるかもしれません。

そこで、セキュリティを強化したリモートアクセスツールを導入すれば、構築や運用に関する知識やノウハウがなくても、オフィスと同じような作業環境を構築することが可能です。

例えば、さまざまなリモートアクセスツールを展開している「CACHATTO」の「CACHATTO SecureContainer」なら、管理や運用に高い知識やノウハウは必要ありません。比較的簡単な操作で、VDIやDaaSと同じ感覚で使うことができます。情報システム部門の負担やVDIの費用などが課題となっているなら、VDIよりも導入しやすく、より快適かつ低コストでテレワークが可能な製品を試してみてください。

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