モバイルワークとは?導入率や普及の背景、メリット・デメリットを解説
2022.11.10投稿、2022.11.10更新
ここ数年のテレワークの普及とともに、「モバイルワーク」という言葉をよく聞くようになりました。テレワークを実施している企業は多いですが、業種や勤務形態によってはモバイルワークの導入を検討している企業もあるでしょう。
今回はモバイルワークについて、類似語となるリモートワークや在宅勤務などとの違いや、モバイルワークの導入率、メリット・デメリット、導入する際の注意点を紹介します。
モバイルワークとは
モバイルワークはテレワークの1種で、カフェや移動中の電車内など、場所や時間に関係なく仕事をする労働形態です。
モバイルワークとテレワーク、在宅勤務、サテライト勤務の違い
モバイルワーク、在宅勤務、サテライト勤務はいずれもテレワークに含まれます。違いは、どこで仕事を行うかという点です。また、リモートワークは、テレワークとほぼ同じ意味です。
- モバイルワーク
移動中の交通機関内や顧客先、出張先、飲食店など、場所を限定せずに仕事をする勤務形態です。主にモバイル端末を使います。
- 在宅勤務
自宅で仕事をする勤務形態です。
- サテライト勤務
自社専用のサテライトオフィスや、シェアオフィス・コワーキングスペースなど、勤務先以外のオフィススペースで仕事をする勤務形態です。
このほかに「ハイブリッドワーク」と呼ばれる勤務形態もあります。オフィスワークとテレワークを組み合わせた働き方で、その日の予定によって出社したり、在宅勤務やモバイルワークを行ったりします。
ハイブリッドワークについては、以下の記事をご参照ください。
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ハイブリッドワークとは?導入のメリットや課題、事例も含めて紹介
使用する端末
モバイルワークに限らず、テレワークで使用する端末には、勤務形態にかかわらず、次の2種類があります。
- セキュリティやアプリケーションを設定して企業から貸与される端末
- 社内ネットワークに接続できるように設定した、従業員の私物の端末(BYOD)
BYODについては、以下の記事もあわせてご参照ください。
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BYODとは?活用のメリット・デメリット、導入や運用するポイントを解説
モバイルワークが向いている職種
モバイルワークは、営業職や経営層など、外出や移動が多い職種に向いています。モバイルワークなら移動中や外出先でも業務を行え、直行直帰で働くことも可能になるからです。
また、システムエンジニア・デザイナー・ライターなど、個人の裁量で行う範囲の広い職種、専門職にも向いています。
モバイルワークの導入率と普及した背景
これまでも「働き方改革」などでテレワークの導入は叫ばれてはいましたが、システム導入にコストがかかる点やセキュリティ問題の改善が進まないことなどから、日本ではテレワークはなかなか進んでいませんでした。
しかし、コロナ禍によって日本企業でもテレワークを導入する企業が増えてきました。「外出禁止」「ステイホーム」のかけ声により、モバイルワークよりも在宅勤務を導入する企業が増えています。
総務省が公表している「令和2年通信利用動向調査」によると、テレワークを導入している企業は全体の47.5%、今後導入予定があるとしている企業は10.7%です。また、テレワークの導入形態でみると、在宅勤務の導入割合は87.4%、モバイルワークの導入割合は33.4%(複数回答)となっています。
なお、テレワークの導入には企業側でハードウェアやセキュリティツールへの投資が必要です。テレワークを導入している企業は全体的に大企業が多く、中小企業での導入は遅れがちになっています。
モバイルワークのメリット・デメリット
モバイルワークには次のようなメリットやデメリットがあります。
メリット
- 時間を有効活用できる
外出先や移動中の「スキマ時間」にも仕事ができることで、時間を有効に使って仕事ができます。これによって労働時間を削減し、従業員の健康やワークライフバランスの向上にもつながります。
- コストの削減
書類を印刷するためだけに出社したり、遅い時間に帰社したりする必要がなくなるので、交通費を抑えられます。出社する従業員の数が減れば、オフィスを縮小してオフィススペースにかかるコストを削減することも可能です。
- 幅広い人材の獲得につながる
最近は、柔軟な働き方やワークライフバランスの向上を求める従業員が増えています。採用活動でテレワーク勤務やモバイルワークが可能な企業であることをアピールすれば、遠方に住んでいる人や今までつながりにくかったような人など、幅広い人材を獲得できる可能性もあります。
- BCP対策につながる
災害や感染症対策のため出社しにくい時期でも、モバイルワークなら会社から離れた場所でも業務を進めることが可能です。また、クラウドサービスを利用して、自社以外のサーバーに業務データを保存してあれば、さらにリスクを低減できます。
なお、テレワークにおけるBCP対策については以下の記事をご参照ください。
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テレワークはBCP対策としても有効!その理由や導入のポイントとは
デメリット
- セキュリティ上のリスクを無くすことはできない
モバイルワークはインターネットを経由して行うので、情報漏洩などのセキュリティ上のリスクをゼロにすることはできません。
- 勤怠管理や評価がしにくい
モバイルワークでは、従業員がどのように仕事をしているのかが見えません。そのため、正確な勤怠管理や労働時間による評価がしにくくなります。
- コミュニケーションがとりにくい
モバイルワークでは、従業員同士が顔を合わせてコミュニケーションをとる機会が少なくなります。そのためチームワークが乱れたり、業務に関する共有不足や認識のずれが生じたりしやすくなります。
モバイルワークを導入するための5つのポイント
次の5つのポイントに注意することで、安心してモバイルワークを導入できます。
セキュリティ対策の実施
モバイルワークでは、企業の管理下にない端末(BYOD)の利用が増えます。これでは、端末の盗難や紛失による情報漏洩、マルウェア感染などのセキュリティ上のリスクを減らすことができません。
対策としては、BYODを企業で管理する、MDM(業務で使用するモバイル端末を一元管理できるツール)を導入するなどの工夫が必要です。
BYODに関するセキュリティ対策やMDMについて詳しくは、以下の記事をご参照ください。
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BYODを導入する際のセキュリティ対策とは?運用面でのポイントを紹介
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BYODに欠かせないMDMとは?メリット・デメリットも合わせて紹介
また、テレワークに必要なセキュリティ対策については、以下の記事をご参照ください。
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【事例あり】テレワークに必要なセキュリティ対策とは?技術面と運用面から解説
従業員へのセキュリティ教育を行う
モバイルワークでは、人為的ミスから情報漏洩やマルウェア感染が発生することもあります。
対策として、企業独自のセキュリティガイドラインを策定し、従業員に教育を行うと有効です。セキュリティガイドラインは、社内での作業とモバイルワーク用で別に作成します。
労務管理方法、評価方法の見直し
モバイルワークでは、企業側が従業員個人の勤務実態や実績を把握しにくくなります。
対策としては、勤怠管理システムの導入や、プロジェクト管理ツールによる進捗管理を行い、実態を正確に把握・管理する体制を整えるのが有効です。
ペーパーレス化
紙の書類の処理は、多くの企業でモバイルワークの導入を阻んでいます。
対策としては、文書の電子化とペーパーレス化を進めて、書類処理のために出社する必要をなくすことが有効です。
コミュニケーションツールの活用
モバイルワークが進むことで起こりやすい、従業員同士のコミュニケーション不足を補う必要があります。
対策としては、社内SNS、メール、ビジネスチャット、オンライン会議システム、グループウェアなどのツールを活用するのが有効です。
モバイルワークは時間を有効活用できるが、セキュリティリスクがあることも忘れずに
モバイルワークにはさまざまなメリット・デメリットがあるので、導入前には運用のポイントを理解しておくことが重要です。特に、セキュリティ対策は徹底しなければなりません。モバイルワークでは、公衆回線を使い、移動中など人目のある場所で業務を行うことも多いためです。セキュリティツールの導入や、セキュアなリモートアクセスを確保できるツールを用意するなど、多様な角度からセキュリティ対策を行いましょう。
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