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VDIとリモートデスクトップはどう使い分ける?違いや仕組みを解説

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テレワークの普及に伴い、多くの企業がさまざまな方法でリモートアクセスを行っています。そのなかでも一見よく似ていて混同しやすいのが、VDIとリモートデスクトップです。どちらもオフィスのサーバーに手元の端末からアクセスする点では共通していますが、サーバー内のアクセス先が異なります。それぞれの特徴を理解し、目的や自社の環境に合った方法を選択しましょう。VDIとリモートデスクトップについて、それぞれの概要と共通点や相違点、使い分け方を紹介します。

VDIとリモートデスクトップはどう使い分ける?違いや仕組みを解説
※この記事では、1つのサーバーを複数のユーザーで共有する方式の「リモートデスクトップ」について説明しています。ユーザーが社内の個人用PCにアクセスする方式のリモートデスクトップについては、こちらの記事をご参照ください。

リモートデスクトップやVDI(シンクライアント)の違いについては、以下のダウンロード資料もご覧ください。それぞれの仕組みや導入課題について分かりやすく解説しています。

資料ダウンロード リモートデスクトップやシンクライアント(VDI)の導入はなぜ難しいのか?

目次

  1. VDIとリモートデスクトップ
  2. VDIとリモートデスクトップの共通点と相違点
  3. VDIとリモートデスクトップの使い分け
  4. VDIとリモートデスクトップの特徴を理解して使い分けよう

VDIとリモートデスクトップ

VDIとリモートデスクトップは、どちらもリモートアクセスを実現する方法の1つで、テレワークでよく利用されます。それぞれの仕組みやメリット・デメリットについて紹介します。

VDIとは

VDI(Virtual Desktop Infrastructure)は「仮想デスクトップ」ともいいます。オフィスのPCのデスクトップ環境をクラウドサービスや社内サーバー上で稼働させ、インターネット経由で操作する方法です。サーバー上にユーザーごとの仮想マシンを構築し、ユーザーは割り当て部分を自分のデスクトップ環境として操作するので、ほかのユーザーとの環境を混同することはありません。

メリット

  • クライアント端末にアプリケーションやデータが残らないため、情報漏洩のリスクが小さい
  • 環境はサーバーに構築するため、セキュリティパッチの更新やセキュリティツールの適用などのセキュリティ対策は管理者が一元的に管理できる
  • データの処理はサーバー側で行うため、手元の端末の性能や場所を問わない
  • ユーザーごとに環境を作成するため、個別にデスクトップをカスタマイズしたりアプリケーションをインストールしたりすることもできる

デメリット

  • ユーザーごとに仮想マシンを構築し、アプリケーションのライセンスが必要になるため、多くのリソースが必要で、コストがかかる
  • ユーザーごとに環境を作成するため、構築にノウハウが必要で、時間もかかる
  • サーバーやサーバー側のネットワークに1箇所でも障害が発生した場合、すべてのクライアント端末が影響を受ける

VDIについては以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご参照ください。

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リモートデスクトップとは

リモートデスクトップ(Remote Desktop Services)も VDIと同様に、クラウドサービスや社内サーバー上に構築した環境にインターネット経由でアクセスして操作します。ただしVDIとは異なり、1つの環境およびリソースを複数のユーザーで共有する方法です。

メリット

  • 処理はサーバー側で行うので、使用するクライアント端末の性能は低くても構わない
  • ハードウェアやOS、アプリケーションのライセンスは1つ準備すればよいので、コストを抑えられる
  • すべてのユーザーが同じ環境を使っているため、環境を一括管理できる
  • サーバーのCPUやメモリなどのリソースを効率よく利用できる

デメリット

  • 全員で同じ環境を利用するため、個人用にカスタマイズした環境を作成できない
  • すべてのユーザーで同じ環境を利用するため、特殊な要件やアプリケーションが必要なユーザーには対応できない
  • リモートデスクトップの脆弱性を突くランサムウェアに感染するリスクがあるためセキュリティには注意が必要

リモートデスクトップについては、こちらの記事もご参照ください。

関連記事 リモートデスクトップとは?種類やメリット・デメリットなどを紹介

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VDIとリモートデスクトップの共通点と相違点

VDIとリモートデスクトップには共通点が多いですが、相違点もあります。

共通点

  • 遠隔地のサーバーにアクセスしている
    どちらもリモートアクセスを実現する方法で、手元のクライアント端末から、クラウドサービスやオフィスにあるサーバーにアクセスしています。
  • 画面転送方式で、処理やデータ保存はサーバーで行っている
    データの処理や保存は、基本的にサーバー側で行います。クライアント端末では、サーバー側で処理された結果を画面に表示し、入力などの操作を行うだけです。
    画像転送方式については以下の記事で詳しく紹介しています。あわせてご参照ください。
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  • クライアント端末にデータが残らない
    アプリケーションやデータはサーバーで保存し処理するため、クライアント側にはデータは残りません。そのため、情報漏洩のリスクは小さくなります。
  • クラウドサービスでもオンプレミスでも利用できる
    サーバーへはインターネット経由でアクセスします。アクセスできればサーバーの設置場所は問いません。
  • インフラにトラブルがあるとすべてのユーザーに影響する
    リソースは確保されていても、物理的には1つのサーバーを共有しています。そのため、サーバーや回線などITインフラの共有部にトラブルが発生すれば、ユーザー全体に影響します。

相違点

VDIは、1つの仮想マシンのリソースを分割し、個別のユーザーに割り当てます。リモートデスクトップでは、1つの仮想マシンのリソースを複数のユーザーで共有します。
まとめると、次のような違いがあります。

ユーザーごとに仮想環境を割り当てる
(デスクトップ仮想化)
1つの仮想環境を複数のユーザーで共有する
(アプリケーション仮想化)
多い 最小限でよい
高い 低い
高い 低い
高い 低い

VDIとリモートデスクトップの使い分け

VDIとリモートデスクトップは、利用形態、必要なリソース、コストなどをもとに使い分けます。それぞれどのような企業に向いているのでしょうか。

VDIが向いている企業

次のような場合は、手間がかかってもVDIで環境を構築したほうがよいでしょう。

  • ユーザーごとに異なる環境が必要な場合
    ユーザーによって設定が異なる、個別に必要なアプリケーションがあるなどの場合は、ユーザーごとに環境を割り当てられるVDIが必要です。
  • 同時に利用する人数が多い場合
    個別に環境を用意すれば、ほかのユーザーを意識せず、個人のPCのように使えます。
  • 予備のハードウェアがある場合
    VDIを導入したいと考えている企業で、PCやサーバー、ネットワーク機器など予備のハードウェアがあれば、環境構築に必要なコストを抑えることができます。

リモートデスクトップが向いている企業

次のような場合は、リモートデスクトップがよいでしょう。

  • すべてのユーザーが同じ環境を利用する場合
    異なる環境を構築し、使い分ける必要がないのでリモートデスクトップが適しています。
  • 運用の手間を減らしたい場合
    リモートデスクトップなら構築する環境が1つですむので、運用の手間が省けます。
  • コストを抑えたい場合
    必要なOSやアプリケーションのライセンスは1つでよいため低コストです。
  • できるだけ早く導入したい
    構築する環境が1つなので、比較的短時間で構築できます。コロナ禍でのテレワーク導入を急ぎたいといった場合には最適です。

テレワークをなるべく早く導入したい場合は、まずリモートデスクトップを導入して、徐々にVDIに移行するという方法もあります。

VDIとリモートデスクトップの特徴を理解して使い分けよう

VDIとリモートデスクトップは、どちらもリモートアクセスの方法としてよく使われています。ともに画面転送方式でデータが端末に残らず、比較的高いセキュリティを確保できます。違いは、アクセスする先がユーザー個別の仮想環境か、複数のユーザーで共有する1つの仮想環境か、という部分です。自社の環境や用途に合わせて、目的に合った方法を導入しましょう。

ただし、どちらの方式も、脆弱性を利用した不正アクセスやマルウェア感染のリスクはゼロにはできません。そのためセキュリティには注意が必要です。

セキュリティを確保したシンクライアントソリューションとしては、さまざまなリモートアクセスツールを展開しているCACHATTOの「CACHATTO SecureContainer」をおすすめします。「VDIの導入や運用にコストがかかる」「リモートデスクトップではオフィスのPCを常に電源ONにしておかないといけない」などの悩みも解決可能です。手元の端末にセキュアな隔離領域を用意し、その保護された環境から業務データを扱うため、仮想環境を用意する必要はありません。PC1台で業務環境が準備でき、データを保護したまま、快適な動作で業務を行えます。詳しくは以下をご参照ください。

CACHATTO SecureContainer|データレスクライアント

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