PCリプレイスを行うタイミングは?リプレイスの手順と準備を確認しよう
2023.12.20投稿、2023.12.20更新
多くの企業では、定期的にシステムやPCのリプレイスを行っています。リプレイスは、不具合の有無にかかわらず定期的に行われるものです。壊れてもいないのに新しいPCに入れ替えるのは、一見無駄に思えるかもしれません。
しかし、エラーやトラブルが発生してからPCリプレイスを行っていると、システムが一時的に停止した影響を受けて業務が停止するリスクが生じます。そのような事態を避けるためにも、定期的なPCリプレイスは重要です。また、2025年10月にはWindows 10のサポート終了が予定されているため、このタイミングでPCリプレイスの準備を進めている企業も多いでしょう。
ここでは、PCリプレイスの概要とその方式、手順、準備、注意点などを紹介します。
PCリプレイスとは
PCリプレイス(replace)とは、PCを新しいものに入れ替えることです。PCリプレースとも表記されます。
問題の有無にかかわらず、長期間使用し、古くなったハードウェアやソフトウェアを交換することを指します。多くの企業では、PCが壊れる前に定期的にリプレイスを行っています。
PCリプレイスを行う目的
なぜ、トラブルがなくてもPCリプレイスを行うのでしょうか?
古いPCを長く使い続けていると、次のようなトラブルが発生する可能性が高まるためです。
パフォーマンスの低下
古いPCを使い続けていると、OSに不要なファイルが蓄積されたり、不要な常駐プログラムが動作したりするようになります。それによって少しずつ動作が遅くなり、作業効率が落ちていきます。
消耗品の劣化
PCの部品には、ディスク(SSD/HDD)やバッテリーなどいくつもの消耗品が使われています。消耗品は使い続けることで経年劣化し、トラブルが発生するリスクが高まります。例えば、ディスクの内部が破損すると、PCに保存しているデータを喪失するおそれもあります。
メンテナンスのコストがかかる
古いPCは故障しやすいものです。しかし、故障したPCを修理したくても、古いPCに対応する部品が見つからず、修理ができない場合もあります。修理できてもコストはかさむでしょう。
新しいツールへの対応
PCやインターネットをビジネスで利用する機会が増えた現在、セキュリティ対策は必須です。しかし、古いPCでは新しいセキュリティツールや業務システムに対応できないこともあります。
古いPCには以上のようなトラブルが想定されるため、PCが故障する前にリプレイスを行うことが重要です。また、新しいPCは古いPCよりもCPUの性能が高く、メモリが大きいといった仕様上の理由で動作が速いので、PCリプレイスによりパフォーマンスは大きく向上します。
PCリプレイスを行うタイミング
PCリプレイスが行われるのは、一般的に次のようなタイミングです。
- PCを購入して3年から5年程度たったタイミング
一般的に、ハードウェアは3年以上使用すると故障が出てきます。
- OSのサポートが終了するタイミング
OSの修正プログラムが提供されなくなると、セキュリティリスクが高まります。
- ハードウェアのサポートが終了するタイミング
サポート終了により、部品が保存されなくなったり、修理できなくなったりします。
- セキュリティ対策が古くなったタイミング
新しいサイバー攻撃に対応するツールが出てきても、古いPCでは対策がとれない場合があります。
Windows 10のサポート終了
2025年10月14日にはWindows 10のサポートが全面的に終了します。バージョンによっては、それより早くサポートが終了するものもあります。
そのため、多くの企業ではこのタイミングでPCリプレイスを行うだろうと予測されています。理由は2つあります。
- セキュリティリスクが増大する
Windows 10のサポートが終了すると、修正プログラムによる不具合の修正やセキュリティパッチの配布が行われません。そのため、十分なセキュリティ対策をとることができず、非常に危険な状態になってしまいます。
- 新しい技術に対応できない
OSが古くなれば、新しい周辺機器やソフトウェアに対応できなくなる場合もあります。それでは新しい技術を利用できず、業務に支障が出てきます。
Windows 10のサポート終了については、次の記事も参考にしてください。
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Windows 10のサポート期限はいつまで?サポート終了までに行うべき対策を解説
PCリプレイスの4つの方式
PCリプレイスには、代表的な方式が4つあります。
一括移行方式
ハードウェアやソフトウェアを一度に入れ替える方式です。
- メリット
一度にすべてを入れ替えてしまうので、最小限のコストや時間で行えます。
ハードウェアやソフトウェアを丸ごと入れ替えるので、現在の問題点も一度に解決することが可能です。
リプレイスが失敗した場合は、元のシステムにすぐ戻すことができます。
- デメリット
リプレイス中にはすべてのPCの使用ができないため、業務が停止する時間が必ず発生します。
すべてを一度に入れ替える方式は、前PCとの比較ができないためエラーやトラブルが発生する確率が高まります。
平行移行方式
並行移行方式ともいいます。古いPCと新しいPCを同時に並行して稼働させ、比較しながら徐々に移行する方式です。
- メリット
常にどちらかのシステムが稼働しているので、システムや業務を止める必要がありません。
同時に稼働させて比べることができるので、互換性の検証が可能です。
動作を確認してから移行できるので、トラブルの発生は少なくなります。
- デメリット
2つのシステムが同時に稼働するので、費用と手間、スペースが必要です。
稼働状況を比較するためにはある程度の知識も必要になります。
パイロット方式
一部の部署で試験的に新しいPCにリプレイスして検証し、発見したトラブルを改善したあとで全社に展開する方式です。
- メリット
本番環境で稼働させることで問題点の洗い出しができ、トラブル発生のリスクを最小限に抑えられます。
本番環境で古いシステムと比較することで、エラーの原因を特定しやすくなります。
- デメリット
検証作業が必要なので、全社展開するまでに時間や手間がかかるうえ、検証用のスペースも必要になります。
段階移行方式
部署ごと、チームごとなど、部分的に少しずつ新しいシステムに切り替えていく方式です。切り替えを行うときには、そのPCが停止します。移行するデータの量や種類が多い場合に向いた方式です。
- メリット
すべてのPCを長期間止めたり、業務システムを全面的に止めたりする必要はありません。
少しずつリプレイスを行うので、エラーが発生しにくく、原因も特定しやすくなります。
- デメリット
リプレイスの作業を少しずつ何度も行うので、コストと手間、時間がかかります。
一定期間、古いシステムと新しいシステムが混在する時間があります。
PCリプレイスを行う際の準備と手順
PCリプレイスを行う際に必要な準備と手順を紹介します。
PCリプレイスの準備
あらかじめPCやサーバーで必要な情報を収集・整理します。以下に挙げる準備が必要で、主に情報システム部門が担当します。
- データのバックアップ
- ソフトウェアのライセンス確認
- 認証情報の確認
- 要件定義に必要な情報の整理
PCリプレイスの手順
実際にリプレイスを行う場合の手順です。どの移行方式を利用する場合でも、基本的な流れは同じです。
- PCリプレイスを行う範囲を決める
部署ごと、支店ごと、全社などの範囲によって、リプレイスする台数を決定します。
- 必要な要件を決定する
ハードウェアの仕様や必要なソフトウェアを決めます。既存のソフトウェアを利用する場合もあります。
- PCとベンダーを選定する
要件を満たすPCと、供給するベンダーを選びます。
- ハードウェアを準備する
ベンダーが必要な数のハードウェアを用意するので、情報システム部門はそれを確認します。
- キッティングを行う
PCにOS、修正プログラム、ソフトウェアなどをインストールし、ネットワークなどの必要な設定を行います。
- データを移行する
バックアップから必要なデータを移行します。
- リプレイスを行う
4つのうちいずれかの方式でリプレイス(移行作業)を行います。
- 動作テストを行う
正常に動作するか確認し、トラブルが発生したら解決策を用意します。
- 稼働開始
テストでトラブルを解決したら、業務に利用します。
PCリプレイスを行うときの注意点
PCリプレイスを行うときには、次のような点に注意が必要です。
信頼できるベンダーの選定
信頼できるベンダーには、次のような条件があります。
- 必要なPCやソフトウェアを、必要な台数、適正なコストで用意できること
- 導入時の作業や導入後のサポートを行えること
余裕のあるスケジュール設定
PCリプレイスでは、ある程度のエラーやトラブルが発生するものです。それに対応して解決策を用意するため、余裕を持ったスケジュールを立てるようにします。
用途に合わせたコスト配分
PCリプレイスでは、想定以上にコストがかかる場合があります。標準的なシステムだけでなく、ハードウェアやソフトウェアをカスタマイズしたり、移行方式によってはリプレイス前後のPCを同時に稼働させたりするためです。
そのため、あらかじめ用途に合わせてコスト配分を行います。
システムとの連携確認
PCリプレイスでハードウェアを入れ替えても、ソフトウェアは既存のシステムを利用することは多いでしょう。特に、業務システムは継続するものが多いです。
そのため、継続利用するシステムとPCリプレイス後のシステムがきちんと連携できるかを確認する必要があります。
PCリプレイスはリスク管理の1つとして計画的に進めよう
PCリプレイスを行うことで、システムの劣化・故障によるトラブルや、システム停止を避けることができます。古いPCを使い続けていると、作業効率が下がったり、データを消失したりするおそれもあります。そのため、トラブルが発生する前に計画的にPCリプレイスを進めていかなくてはなりません。
2025年10月14日にはWindows 10のサポートが終了するので、多くの企業でPCリプレイスが行われると予測されています。
オフィスにあるPCのリプレイスは比較的単純です。しかし、テレワークでリモートデスクトップや仮想デスクトップ環境を利用している場合は、少々複雑になります。オフィスのPCリプレイスを行うときには、手元の端末も変更しなければならないからです。
「CACHATTO」の「CACHATTO SecureContainer」を利用していれば、手元の端末からオフィスのサーバーなどの業務で使用するリソースにアクセスして業務を行えます。そのため、リプレイスするPCはオフィスにある1台だけです。リモートデスクトップや仮想デスクトップのように、1人あたり2台のPC環境をリプレイスする必要はありません。そのため、リプレイスのコストや管理負担を大きく軽減できます。また、端末にアプリケーションやデータを保存しないので、高いセキュリティを確保可能です。
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