端末に情報を残さず、手軽に使えることが要件
~より効率的なワークスタイル環境実現により顧客接点を拡大~

住友不動産株式会社様
  • 不動産
  • 従業員数 10,001名以上
  • CACHATTO SecureBrowser
イメージ
お話を伺ったご担当者様
  • 財務部 情報システム課 課長 川村 亮之 氏
  • 財務部 情報システム課 佐藤 祐輔 氏
  • ビル事業本部ビル営業一部 部長代理 大屋 康一郎 氏

住友不動産株式会社(以下、住友不動産)は株式会社住友本社を継承する住友グループ直系の不動産会社として1949年に設立された日本を代表する総合デベロッパーである。オフィスビル、分譲マンション、注文住宅、新築そっくりさんの4事業を柱としており、オフィスビル事業において東京でトップシェアを誇るほか、分譲マンション事業では、全国および首都圏において3年連続供給総戸数ランキング1位※1となっている。同社では、CACHATTOを2012年に導入、2,000名を超える※2ユーザーが利用している。CACHATTO導入の経緯と、その活用状況について伺った。

住友不動産六本木グランドタワー(2016年竣工)
  • 住友不動産六本木グランドタワー(2016年竣工)

東日本大震災を契機に導入検討

「導入の発端は311(2011年の東日本大震災)でした。あの時に宮城の社員とのコミュニケーションが断たれてしまったのです。現地は被災により電話は不通、ただしTwitterやインターネットは使えました。そこで総務が主体となって部長職以上へのiPhone配布を決め、同時に、コミュニケーションが取れる仕組みの検討も始めました」。財務部情報システム課の佐藤氏はCACHATTOの導入のきっかけについて振り返る。
「従来からWebメールを一部で導入していましたが、本格展開では2つの要件を定めました。まず1つめは、『端末に閲覧データを残さないこと』。当時、部長職以上が使用していた携帯電話には、会社支給の端末と、私物のBYOD※3がありました。そのため端末にデータを残さないものにしたかったのです」

お話を伺ったご担当者様
  • 財務部 情報システム課
    課長 川村 亮之 氏

「そして、2つめの要件は、『手軽に使えること』でした。VPNを使う方法も検討しましたが、スマートデバイスで手軽に使えるものは何だろう、とあらためて考えました」その結果、「これらの要件を満たせるのはCACHATTOだ」と思い当たったという。

財務部情報システム課の川村課長は補足する。「製品選定にあたって、BYODをどうするかというのは大きな課題でした。BYODは当時相当数あったので会社支給の端末しかリモートアクセスができない、というわけにはいきません」「絶対にデータが端末に残らないというものしか選択肢はなかったのです」

利用端末をコントロールできるメリットは大きかった

CACHATTOは、2012年4月に導入、運用が開始された。導入にあたって苦労した点について佐藤氏にお聞きした。
「運用開始当初は100ユーザーからスタートしました」「導入時に特に大きな苦労はありませんでした」。
「実際に運用してみて、良かったと感じる機能は、ID、パスワードだけでなく(CACHATTOの端末個体認証機能で)端末を制限できることですね」「BYODで、機種変更を勝手にやって使えるのは(IT管理者からすれば)困ります」「端末を変えるとCACHATTOを使えない。こうしておけば、ユーザーから問合せが来て機種変更されたことがわかります」「こういう機能は実際に使ってみて、良いと思いました」「会社支給のiPadを使い慣れると、私物のiPadでも使おうとする人も出てきますが、それも制限できます」。
「トップからの言葉もあり、我々情報システム部門では、常々『こういったコントロールができないか』、と心がけています」(佐藤氏)

お話を伺ったご担当者様
  • 財務部 情報システム課
    佐藤 祐輔 氏

利用者へのサポート等、日常運用の負荷はどうなのだろうか。

「日々の運用においてもサポートの負荷は殆どありません」。「操作説明はほとんどしていないのですが、問合せは滅多に無いですね。パスワードを複数回間違えて使えなくなった、という問合せがたまにある程度です。(CACHATTOの)操作が直感的だということもありますね」(佐藤氏)

iPadの配布に伴い利用者数が拡大

導入後4年が経過し、2016年末時点で約2,000ユーザーを超えるまで利用が拡大しているという。
「導入当初の利用者は、緊急連絡用にiPhoneが配布された部長職以上でした」。そこに2016年2月、「営業向けにiPadを導入することになり」「あわせてCACHATTOでメールやイントラネットへのアクセスに利用、一気にユーザー数が増えました」(佐藤氏)
主な用途について川村氏は語る。「CACHATTOは、コミュニケーションとスケジュールのツールです」「また、導入部門にもよりますが、イントラネット上の部門掲示版を見る用途や、それに加えて社内資料の参照にも使っています」。
「紙の資料は重いだけでなく、情報漏洩に対してコントロールが難しいです。紙の情報を極力無くすと安全性が高まります」。紙資料のPDF化によるペーパーレスを推進しながらCACHATTOでセキュアに参照できるというわけだ。

CACHATTO利用シーン
  • CACHATTO利用シーン

その他に、「iPadには、提案用ツールを導入し、パンフレットなどの提案資料をお客様にお見せできるようにしています。そちらはMDM※4でリモートワイプできる様に」する一方で、「お客様とのやりとりや、社内資料の参照は端末にデータが残らないCACHATTOを使っています」との使い分けをしている。

さらに川村氏は続ける。「ある部門の上長は、『イントラ上で自分の予定の空いているところはどんどん埋めろ』、と部下に指示していました」「その結果、その人自身は出先で自分の予定がわからず、会社に帰って自分のパソコンを見ないと予定すら決められずにいました」しかし「CACHATTO導入により、すぐその場で予定が確認できて新たな予定を入れられるようになりました」スケジュール参照に関してもCACHATTOが一役買っている。

パソコンでのリモートアクセス環境についてはどうなっているのか、続けて川村氏にお聞きした。「セキュリティ上、社外へのパソコン持ち出しは禁止しています。不動産会社ならではの事情ですが、注文住宅や住宅リフォームでは、物件名はそのまま施主様の名前、建築地はその方の住所ですので、完全な個人情報なのです。ですからパソコンや端末に情報を残せないのです」。

今後の展開

続いて今後の展開構想について伺った。

「現在の導入部門は、先ほど申し上げた通り、部長職以上全員と住宅リフォームと注文住宅系、ビル、マンションの4事業部門の営業です。今は導入が少し落ち着いたところです。今後は関係子会社への導入を予定しています」。「我々としてはセキュリティが第一で、CACHATTOは自信を持って奨められるので、事業部から要望があれば、CACHATTOの利用を提案しています」(佐藤氏)

「部門からの導入要望を受け、情報システムでその部門における必要性を議論し、導入や増設を決定するケースが一般的です」「個人パソコンの業務利用は禁止しているのですが、営業の中には外回りの業務に個人パソコンを使おうとする者もいます。それに対してはiPadを導入してCACHATTOを使いなさい、と、こちらから提案しています」(川村氏)

「社内システムは基本的にWindowsベースで内製しています。それをWeb化して社外からCACHATTO経由でアクセスできるように作り替えていっています。クライアント・サーバーのシステムの一部には、Web化するにもiOSの端末とWindowsとの挙動の違いもあって、まだ載せられていないものもあります」「営業からは、社内のシステムを全部社外(リモート)から見たいという要望がありますが、社内と社外でできることが全く同じにすべきではないと考えます。端末にデータが残らないとはいえ、個人情報もありますから、どこでも全ての情報にアクセスできるというのは好ましくないです。パソコンは外に持ち出せない前提ですから、社内のパソコンでは何でも使え、外の環境からはそれが制限された形で使える、といった仕組みであるべきです」(川村氏)

CACHATTOで仕事の密度が濃くなった

最後に、日々CACHATTOを利用されている営業部門の立場での感想についてビル事業本部ビル営業一部 大屋部長代理にお聞きした。
「一番有難いのは、社外からメールが確認できる様になったことです。分譲マンション部門では、ローン申請時の銀行との相談とか、マンションの広告を出すための広告業者さんとの打ち合わせなどもあります。お客様対応は土日、休日である平日でも銀行や業者さんからの連絡が入ってきます。過去にはメール確認のために休日に会社に来てしまう者もいました。今はその必要がなくなったことは嬉しいですね」。
川村氏が補足する。「注文住宅や住宅リフォーム部門でも、土日が出勤で平日が休みになります。とはいえ、平日にも工事会社や銀行など様々なやりとりが発生してしまいます。以前は、ちょっとしたメールの確認のために会社に行かねばなりませんでした。CACHATTOの導入でそういったことがなくなったのでとても有難いですね」。

お話を伺ったご担当者様
  • ビル事業本部ビル営業一部
    部長代理 大屋 康一郎 氏

「例えば、『新築そっくりさん』(住宅リフォーム)の事業部では、お客様の担当をSE(営業技術)と呼び、セールスとエンジニアの両方の仕事に対応します。そのためメールは、お客様とのやりとりだけでなく、施工する業者さんとのやりとりが平日に発生します」。「地方都市での営業活動では、事務所からお客様の郊外のお宅までお伺いするのに1時間以上かかるという事もザラなんです。営業の自宅がお客様のお宅の近くにあったとしても、以前は商談後にメールを見るためにわざわざ会社に戻ることもありました。CACHATTOのおかげでそういったところの利便はかなり向上したと聞いています」。

「結果としてiPadの導入に関してのアンケートでは約8割が「非常にありがたい」との評価を得ています」(川村氏)

では、営業は時間に余裕を持って活動できる様になったのだろうか。大屋氏にその点を伺った。

「以前は翌日にやっていたことが、その日にできてしまうので、逆に密度が濃くなりましたね。時間ができた分、お客様に深く接することができます」。

大屋氏の言葉からは、住友家の事業精神「我住友の営業は信用を重んじ確実を旨とし以て其の鞏固隆盛を期すべし。(営業は、信用を重んじ確実を旨とすることで住友は栄える)」が脈々と受け継がれていることが感じられた。

住友不動産株式会社

住友不動産は戦後の財閥解体により1949年に株式会社住友本社の不動産部門を継承する会社として設立された。現在は日本の大手総合デベロッパーの1社として、オフィスビル、分譲マンション、ハウジング、不動産関連の4分野で事業を手がけ、オフィスビル事業では東京都内に210棟を超えるビルを運営、東京でNo.1の規模を誇り、マンション供給においては全国および首都圏での供給総戸数1位を獲得している。また、ハウジング部門では家一軒まるごとリフォームという新しいコンセプトで打ち出した「新築そっくりさん」がリフォーム市場のブランドとして定着、累計受注10万棟の事業に成長している。

住友不動産株式会社様
イメージ
本社所在地 東京都新宿区西新宿二丁目4番1号(新宿NSビル)
資本金 122,805,350,767円(2016年3月31日現在)
創業 1949年12月1日(昭和24年)
事業内容 ビルの開発・賃貸
マンション・戸建住宅の開発・分譲
宅地の造成・分譲
海外不動産の開発・分譲・賃貸
建築土木工事の請負・設計・監理
不動産の売買・仲介・鑑定 ほか
従業員数 12,116名(2016年3月31日現在・連結)
URL https://www.sumitomo-rd.co.jp/

CACHATTOがリモートワーク環境のお悩みを解決します!お気軽にお問い合わせください