建築設計事務所の「テレワーク・フリーアドレス・スーパーフレックス」を実現。年間数千万円のコスト削減と従業員増加等事業成長に寄与するCACHATTO

株式会社JR東日本建築設計様
  • 建設
  • 従業員数 501~1,000名
  • セキュアブラウザ
  • Splashtop for CACHATTO
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お話を伺ったご担当者様
  • 株式会社JR東日本建築設計 情報システム部 部長 坂本 進吾 氏
お話を伺ったご担当者様

デザイン・設計、動画編集、3DCG制作など、高性能なコンピューター(ワークステーションPC)が欠かせない業種は、作業環境の可搬性が低くなりがちで、フリーアドレスやモバイルワークといった「場所に縛られない働き方」には向かないと言われてきました。

この定説を覆し、建築設計の仕事を“場所”から解き放ったのが、株式会社JR東日本建築設計様です。同社は「Splashtop for CACHATTO(スプラッシュトップ フォー カチャット)」を導入及び展開することで、オフィスのワークステーションPCをそのまま使える「テレワーク」を叶えました。さらにオフィス内でもSplashtop for CACHATTOを利用することで、どこでも身軽に働ける「フリーアドレス」を実現したのです。

今回は「Splashtop for CACHATTO」、「セキュアブラウザ (CACHATTO SecureBrowser)」をご利用いただいている、株式会社JR東日本建築設計 情報システム部 部長 坂本進吾様にお話をうかがい、ご活用の様子や、フリーアドレス化に伴う端末の運用の工夫などについてお聞きしました。

2016年にセキュアブラウザを導入。目的はテレワークではなく「社用外出中のモバイルワーク」

―――株式会社JR東日本建築設計様の事業について、また坂本様のご担当業務について教えてください。

JRグループの建築設計事務所として、主に東日本エリアの鉄道駅や駅ビルの設計を手掛けています。従業員は約550名、そのうち一級建築士が約330名です。私の所属する情報システム部は約20名おり、他のさまざまなシステムの運用と併せて、全員でSplashtop for CACHATTOとセキュアブラウザのサポートを担当しています。

―――2016年にはCACHATTOシリーズを導入していただいたとうかがっています。当時の様子などをお聞かせください。

コロナ禍以前ということもあり、当初の目的はテレワークではなく「社用外出中のモバイルワーク」でした。設計事務所ではクライアントとの打ち合わせ、現場へ足を運ぶ、建築確認申請で役所へ行く…といった具合で、外へ出る仕事が多く、社内より社外にいる時間の方が長い従業員もいるほどです。そうなると移動時間や出先での空き時間も多くなりますから、その時間でメールチェックなどができると仕事が捗るだろうということで、まずはセキュアブラウザを導入しました。

Splashtop for CACHATTOはそのオプションとして知り、当時、従業員がデザインイメージを描画するために持ち歩いていたタブレット端末で試し始めました。

コロナを機に、「テレワーク・フリーアドレス・スーパーフレックス」を全社的に実現

―――コロナ禍での対応も「Splashtop for CACHATTO」をすでに導入していたことで、スムーズだったのではないでしょうか?

そうですね。当社はコロナ禍を機に「テレワーク・フリーアドレス・スーパーフレックス」の3つの施策をすべて実現させたので、その道のりこそ大変ではありましたが、決断までは早かったです。

実は、コロナ禍の前にはもう「ノートPCでSplashtop for CACHATTOを経由してワークステーションPCを使うと、かなり操作性が良い」という話が出ていて、まず10台、さらに10台…と少しずつノートPCを導入していました。そこでコロナ禍にさしかかり、当時の社長(現相談役)が「やるなら今だ!」とばかりに、全従業員分のノートPCとタブレット端末、そしてセキュアブラウザとSplashtop for CACHATTOの大量導入に踏み切ったのです。その後ノートPCが入手しにくい状況になったことなども考えると、まさに「先見の明」でしたね。

もともと従業員が年間20-30名ずつ増えている中、2020年の時点では既存のオフィスエリアの固定席が埋まっており、通路にも席を設置せざるを得ない状況でした。そこで、コロナ禍でほぼ全員がテレワークをしている間に、社内のレイアウト変更工事を実施してフリーアドレス化しました。

また、急激なテレワーク普及で日中のネットワークが混雑して速度が遅くなる一方で、早朝や夜間は比較的速いということがわかり、コアタイムなしのスーパーフレックスタイム制度も取り入れました。「ワークステーションPCをサクサク動かしたいなら、朝や夜に仕事をするやり方もある」というわけです。

さらに、タブレット端末やスマートフォンではセキュアブラウザ経由で社内ポータルサイトを利用しています。冗長化システムとまではいきませんが、社内ポータル内に情報システム部宛の受付システムを作っています。「ネットワークが不安定でSplashtop for CACHATTOが立ち上げられない」といった緊急連絡はそこでしてもらい、情報システム部に電話が殺到することがないようにしています。

どれも、セキュアブラウザとSplashtop for CACHATTOがあったからこそできた施策です。実現までのさまざまな苦労を乗り越えられたのもe-Janネットワークスさんのおかげですね。

毎年従業員が増加するも、増床せずに年間数千万の大幅コスト削減。試行錯誤の末に辿り着いた、建築設計事務所のフリーアドレスの形

―――現在、従業員の皆さまはどのように業務されているのですか?

当社では、従業員1人に対して情報端末が5つ支給されています。オフィスに設置しているワークステーションPC、オフィス内で使うノートPC、それとは別に持ち出して使うノートPC、タブレット端末、スマートフォンです。

オフィスは全部で3フロアあり、各フロア内に個人ロッカーを設置しています。ロッカー内に設置した電源でオフィスで使うノートPCが充電できます。

座席は、基本は横並びの仕切りのないオープンな机のスタイルで、各席2台のモニターを設置しています。またフロアの一部には、隣との仕切りがある集中専用のスペースも用意しています。従業員はその日に応じて好みの席を選ぶことが可能で、出社するとロッカーからオフィス用のノートPCを持って好きな席につき、Splashtop for CACHATTOを経由してワークステーションPCを操作しています。

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  • フリーアドレスの各座席には2台のモニターを設置

―――フリーアドレスにあたり、試行錯誤を繰り返されたとお伺いしています。特に全従業員分の接続先端末の運用は大変だったのではないかと思いますが、どのように工夫されたのでしょうか?

新しいものを1から揃えたわけではなく、今あるものを最大限活用できるように試行錯誤をしました。他社の皆さまにとっても参考になるはずです。運用上の工夫は2点あり、ワークステーションPC設置エリアの分散と仮想ディスプレイの活用です。

まず、オフィスに設置している接続先端末となるワークステーションPCは、電源ケーブル、LANケーブル、仮想ディスプレイアダプター2個(2画面対応のため)を繋いだ状態で棚に並べて収納し、オフィス内の3か所に分散して過熱対策をしています。

1か所目はサーバールームで、ワークステーションPCを一番数多く収納しており、クーラーと扇風機で冷却しています。3か所の中では、一番安定的に稼働しています。一方で、サーバールームに入室できるのは情報システム部門だけですので、ワークステーションの再起動は私たちしかできません。そのため、当社のフレックスタイム(7:00-22:00)中は、朝昼夜の当番制をとっています。

2か所目は、オフィスの一画の棚に、クーラーと扇風機で冷却したエリアです。 棚の1段毎に置かれたファンが、棚に並んだワークステーションPCの排熱を背面から天板に送り、天板に設置された大型ファンでエリアの外に放出しています。試行錯誤の結果、現在の形に行きつき、安定的に稼働しています。メリットは、オフィスの一画に接続先端末を置くことで、ユーザー自身で再起動およびUSBデバイスやDVDなどの利用ができます。

3か所目では、オフィスの一画に、2か所目ほどの冷却対策をせずに設置しています。熱くなることもありますが、今のところは若干数の扇風機を設置する程度でうまく運用ができています。

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    • PC設置エリア 1か所目
      サーバールーム
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    • PC設置エリア 2か所目
      オフィスの一画(冷却対策あり)
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    • PC設置エリア 3か所目
      オフィスの一画

2つ目は、仮想ディスプレイの活用によって、従業員の業務効率を下げずにワークステーションPCエリアのスペースを削減しました。これにより、接続先端末はワークステーションPCの置き場所さえ確保できればよいため、Splashtop fof CACHATTOでフリーアドレスが実現できました。自宅での業務にはモニターを貸与しているので、オフィスでも自宅でも従業員は常に2画面で効率よく業務ができます。

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  • ワークステーションPCには仮想ディスプレイのアダプターを2個接続し2画面表示に対応

―――働き方の大転換の一助となれて我々も光栄です。とはいえ、費用もかなりかかったのではないですか。

それが、むしろコストダウンしているという、不思議な状況なんです。正直、テレワークやフリーアドレスの環境を整えるための費用や手間はかなりかかりました。しかし、テレワークやフリーアドレスが実現したおかげで、「固定席を確保するためのオフィス増床」が不要となり、引き続き年間20-30名の従業員を増やせています。また、本社が新宿にあるため、増床すればそれなりの賃料がかかり続けますが、フリーアドレス化でオフィススペースを有効活用でき、結果的に増床の必要はなくなりました。

現時点では、コロナ以降の約5年で従業員は約100名前後増え、増床していたら発生する年間数千万円の費用も億単位での大きなコストダウンになっています。

――なにかと物入りだったコロナ禍でむしろコストダウンを達成されたとは、驚きです。今後、建築設計業界での業務改革はどのように進んでいくと考えていらっしゃいますか?

当社では、「テレワーク・フリーアドレス・スーパーフレックス」がすっかり定着しており、社内での評判も上々です。安定した経営や、仕事と家庭の両立を支援する制度や働きやすい就労環境などを通じて、女性従業員の比率の高まりや入社後3年以内に離職する割合は低くあります。「何時間勤務した」よりも、「お客様が満足される良い成果物を出した」ことを評価する、設計事務所ならではの成果主義的な風土にも合っていたのかもしれないですね。

そして当社のように「テレワーク時だけでなく、オフィスでもリモートデスクトップを利用する」ワークスタイルは、他の大手設計事務所などでも取り入れられ始めているようです。我々にとっても自慢のワークスタイルですし、ぜひ建設設計業界へ広がっていってほしいと思います。

株式会社JR東日本建築設計

株式会社JR東日本建築設計は、駅舎や商業施設、文化施設など多岐にわたる建築の設計やまちづくりを手掛けています。国内外で数多くの賞を受賞しており、主な実績には、高輪ゲートウェイ駅、JR横浜タワー、東京ステーションシティなどがあります。また、駅周辺の公共空間の整備や、バリアフリー化の推進、環境に配慮した設計などを行い、地域の快適な暮らしを支えています。

株式会社JR東日本建築設計様
本社所在地 東京都渋谷区代々木二丁目1番5号 JR南新宿ビル
創業 1989年4月1日
従業員数 551名(2024年4月1日現在)
URL https://www.jred.co.jp/

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