セキュリティとスモールスタートできる導入のしやすさで選びました

岡山市水道局様
  • 官公庁・自治体
  • 従業員数 1~500名
  • Splashtop for CACHATTO
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お話を伺ったご担当者様(写真左から)
  • 配水部配水課 配水係 係長 木村昌彦 氏
  • 総務部経営管理課 システム管理係 副主査 森山拓也 氏
  • 配水部配水課 配水係 副主査 橋目憲和 氏
インタビューにお答えいただいた担当者様

浄水場で作られた水道水は、公道上に整備された「配水管」と呼ばれるパイプラインを通じて市内へ供給され、各戸へはその配水管から分岐して水道水を引き込む役割の「給水管」と呼ばれるパイプにより届けられている。岡山市水道局では、道路上での漏水修繕対応など、維持管理業務で必要となる現場対応の際に、付近の配水管や給水管の接続情報が記録された図面のコピーを持参しなければならないことが課題であったという。そこで、その解決のためにリモートデスクトップサービスであるSplashtop for CACHATTO クラウドパックを採用。その導入の経緯や現在の運用状況について岡山市水道局でプロジェクトに関わっている方々に伺った。

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現場への図面コピー持参が課題

管路情報は水道局のマッピングシステム(水道管の埋設状況等が記録された地図情報システム)に記録されています。現地に出動する際には、まず必要な図面をそのマッピングシステムで検索し、プリントアウトして持参していました。また、出動後、現場で別の図面が必要となった場合には水道局に取りに戻るか、あるいは他の職員に届けてもらうか、電話を通じて職員にマッピングシステムを見てもらうなどして対処していました。さらに図面を現場に持ち出して取り扱う上でも管理に注意を払う必要もありました。なぜなら、必要資料には水道使用者名など、プライバシーにかかわる情報を記載したものが含まれることがあるからです。そこで、リモートアクセスシステムの導入により作業の効率化を図るとともに、図面の持ち出しもなくすことで、セキュリティをより高めることにしました。

タブレット操作とセキュリティを要件に検討

システムの選定にあたっては、作業現場での操作となることからタブレットで利用でき、かつセキュリティに優れたシステムであることを要件として各種システムを検討しました。VDI(Virtual Desktop Infrastructure: デスクトップ仮想化)も検討したのですが、初期投資のコストが大きいことから見送りました。その点、Splashtop for CACHATTOクラウドパックは端末にデータを残さないことからセキュリティ要件を満たし、スモールスタートで始められることから初期投資を抑えられ、早期に運用を開始できることから採用を決定しました。

導入にあたっては、無償トライアル期間中にWindowsアカウント切り換えによる利用制限(後述)や、離島や山間部などの携帯電話の電波が弱そうな地域での使い勝手をテストでき、さらに実際の利用部門でも試用ができたため、導入後は早期に運用を開始することができました。

独自の工夫でさらにセキュリティを高める運用に

リモートデスクトップで外からアクセスするにあたって、局内でのPC操作と同レベルに全てのシステムにアクセスできるのはセキュリティ上、好ましくないためアクセスを制限したいと考えました。そこで、外部からのアクセス時にはアクセス先の局内PCをリモートデスクトップ接続専用のWindowsアカウントを使用してログインし、そのアカウントで接続できるアクセス先はマッピングシステムだけに絞る仕組みを独自に構築しました。さらに不用意に接続されることがないように、Splashtop for CACHATTOのストリーマーソフト(Splashtop for CACHATTO通信用に接続先PCにインストールされるソフトウェア)は、その専用アカウントでログインしている間だけ起動されるようにしています。

システムの概要
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現場への出動がスピーディになった

給配水管の維持管理担当の職員は、現場に出動する際に、まず自分のPCを局外アクセス用のWindowsアカウントに切り換えてからアクセス用端末のiPadを携行して出動します。現場への出動は2人ひと組となるため、1人は運転し、他方は現場に向かう車中から局内PCにiPadからリモートアクセスし、必要な情報を収集することで、現場到着までに図面が確認できるようになりました。従来は、まず必要な情報を局内で調べ、プリントアウトし持参していたため、現在は、出動がよりスピーディになり、図面が現場で紛失しないように配慮するストレスからも解放されたと思います。

利用している現場からは好評ですが、Windows端末の右クリック左クリックがiPadのタッチで操作が異なるため、少し慣れが必要とも言われています。とはいえ、作業現場でマウス操作は難しいですし、セキュリティ上、iPadのBluetooth利用も制限しているため、マウスやApple Pencilは使えません。

製品への要望としては、自動車での移動中のアクセスは、携帯電話の電波圏内の様に見えてもリモートデスクトップ接続が切れてしまう場合があると現場から聞いているので、その改善ができると良いですね。

今後の展開

今回、まずはスモールスタートで1年間は試用期間と定め、利用状況等の調査を行った上で1年後に適切な台数を配備する方針として導入しました。端末は維持管理部門に加えて、配水管の設計部門にも配布しましたが、設計部門は配水管の更新や新設工事で現場に行った際、現場での図面への書き込みが必要なことと、維持管理部門とは異なり、緊急出動が少ないことから事前に図面を準備できるためリモートアクセスの必要性は低いということがわかりました。そこで、新たな用途開拓に向け、浄水場やポンプ場などの巡回・メンテナンス時に図面が必要な部門や、水道メーターの検針事務等を管理する部門に端末を配置換えして試してもらうことにしました。それに伴い、試用期間を1年延長することにしました。


世間ではテレワークや在宅勤務用途でのリモートデスクトップサービス導入が多いなかで、「安全でおいしい水の追求」のための管理体制充実の一環として、現場の機動性アップとセキュリティ向上を狙って導入された岡山市水道局の先進的な取り組みは、今後も工夫を重ね続けられていく。

岡山市水道局

岡山市の水道は1905年に全国8番目の近代水道として創設され、以後100年を超える歴史において一度の断水も発生させていないという。山間部から離島部まで岡山市約33万4千戸(2021年3月31日現在)に安全でおいしい水を安定的に供給するライフラインの維持、充実に向け岡山市水道局は昼夜を違わず活動している。

岡山市水道局様
所在地 岡山県岡山市北区鹿田町二丁目1番1号
送水開始日 1905(明治38)年7月23日
職員数 383名(2020年度現在。水道事業管理者を除く。再任用・会計年度職員を含む)
URL https://www.water.okayama.jp/

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